温度条件によって生じる快・不快感を「温熱的快適感」という。温熱的快適感には部位差がある。例えば暑熱環境では顔や頚部の冷却で強い快適感が生じるが、腹部の冷却で生じる快適感は小さい。この温熱的快適感の特徴は、暑い時に頭頸部を冷やす行動と結びつき、脳温を低く保つ為に役立っているのではないかと考えた。実験でヒトの脳温を直接測定することは難しいが、鼓膜温は脳表面の温度を反映すると報告されている。本研究では鼓膜温を脳温の指標とし、正常体温、高体温時に頭頸部冷却を行い、脳温(鼓膜温)へ及ぼす影響について検証した。
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