点字触読速度は文章により速度が変わるという問題があった。そこで、本研究では、客観的な評価を行うための読書チャートの開発を目指している。チャート開発の基となるデータの収集のため、79名の点字ユーザを対象とし、文章特性の異なる文章の読書速度の測定と個人特性の収集を行った。階層線形モデルにより、読書速度と関連する個人・文章特性を特定し、読書速度を予測する最適最小モデルの構築を行った。結果、読書速度に対し個人レベル(失明年齢・点字の利用頻度)と文章レベル(単語親密度・語彙レベルなど)の両方で統計的に有意な影響が確認された。このモデルに基づき文章難易度を評価した文章を読書チャートとして公開する。
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