本研究は、中途身体障害を受傷後、パラリンピック等へ出場したエキスパートスポーツ選手を対象とし、彼らの受傷体験から卓越した競技力獲得までの自己変容過程を明らかにすることを目的とした。データ収集は半構造的面接により実施した。 結果として、対象者は受傷後、障害を受容せざるを得ず何らかの代替選択肢を必要としていること、また障害者アスリートとしての意味を見出しながら、リハビリや義足でのトレーニングへと専心していく様子が明らかとなった。その後、本格的にパラリンピックを目指して新たな競技者人生をスタートさせ、トップアスリートとして、さらには「人間として」の自己再生も果たしていくという過程が明らかとなった。
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