本研究では地域別の失業率を分析する計量モデルを提案しそのモデルを利用して日本の失業率について実証分析を行い失業の構造について明らかにしている。今回提案したモデルではクロスセクションデータもしくはパネルデータを利用し、地域間の相互関係を表す空間項を導入している。本研究では物理的な距離ではなく、時間的な距離を利用して推定を行う。このことにより交通事情等により物理的な距離が近くても交流がほとんどない地域や逆に物理的に離れていたとしても高速鉄道や高速道路で移動しやすい地域の影響について精緻に分析することが可能になる。さらに交通状況の変化による影響をシミュレーションすることも可能になっている。
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