研究課題/領域番号 |
25870869
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
大澤 肇 中部大学, 国際関係学部, 講師 (00469636)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | オーラルヒストリー / 政治教育 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、(1)1950年代中国の政治教育に関わる資料を、台湾にある国立教育研究院に赴き、資料収集を行った。(2)また、中部大学開学50周年・国際関係学部創設30周年記念論集として企画された論文集『「国際」という夢をつむぐ』に、中国における中国現代史(当代史)研究の状況をレビューし、そのなかでオーラルヒストリーの使用のされ方や中国人研究者がオーラルヒストリーをどのように捉えているのか、という点についても分析を行った。以上2点が、平成26年度の基本的な研究実績である。 ただ本来の研究計画であれば、平成26年度は、(1)平成26年度に蘇州市で行ったインタビューのフォローアップ、(2)杭州市または浙江省北部でのインタビュー という2つの研究事業を行う予定であった。しかしながら、平成26年度8月よりアメリカ合衆国Harvard Yenching InstituteにVisiting Scholarとして滞在し、在外研究を行うこととなったため、特に平成26年度後半は研究計画どおりの研究ができなかった。もっとも在外研究期間において、アメリカの中国研究におけるインタビュー資料の扱い方、インタビュー技法、及び1950年代中国についてのアメリカでの研究状況などを学ぶことができた。また、アメリカに所蔵されている1950年代中国に関する資料についても調査を行い、今後の研究・インタビューの役に立つことが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
所属大学より許可が下りたため、本年度8月よりアメリカ合衆国Harvard Yenching InstituteにVisiting Scholarとして滞在し、在外研究を行った。そのため、アメリカの中国研究におけるインタビュー資料の扱い方、インタビュー技法、及び1950年代中国についてのアメリカでの研究状況などを学ぶことができた。また、アメリカに所蔵されている1950年代中国に関する資料についても調査を行った。これらのテクニックや研究状況・史資料状況等の情報、そしてアメリカで築いた研究者間ネットワーク・人脈などは、今後のインタビューや研究に対して大いに有益であり、役に立つことが期待される。 しかしながら、当初のスケジュール通りのインタビュー(夏に蘇州市でのインタビューのフォローアップ、冬または春に杭州または浙江省北部でのインタビューを行う予定であった)を実施できなかったのもまた事実であり、当初のスケジュールに比べて、やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度では、平成26年度に実施できなかった、(1)蘇州市のインタビューに対するフォローアップ、(2)杭州市または浙江省北部を中心としたインタビューの実施 の2つを行いたいと考えている。また、関連する文献資料の収集や、比較のために他地域でのインタビューの実施などについても、鋭意進めたいと考えている。また、これまでの科研費で実施した研究成果の一部を含める形で、1950年代中国の政治教育を台湾と比較する観点から、平成27年4月にHarvard Yenching Instituteにて、英語で発表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年8月より、グラントを獲得しアメリカ合衆国Harvard Yenching Instituteにて在外研究を実施した。そのため、当初のスケジュール通りの研究計画実施が不可能になった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成26年度実施予定であったインタビュー及び史資料収集を平成27年度に実施する。また、当初は計画になかったが、平成27年4月に、これまでの科研費で実施した研究成果を含める形で、1950年代中国の政治教育を台湾と比較する観点から、Harvard Yenching Instituteにて、英語で発表することとなったため、繰越額の一部をこの旅費に充当したい。
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