平成26年度は当研究課題の最終年度であり、前年度に引き続き、①1930-40年代に湖南省で学校教育を受けたことがある人物に対する聞き取り調査(湖南省長沙にて2014年8月)およびその内容のテープ起こし、②1930-40年代の湖南省長沙における学校教育・儒学教育に関する文献史料の収集(湖南省長沙にて2014年8月、江蘇省南京にて2014年12月)を実施した後、これらの史料を整理して分析を行った。 ①聞き取り調査については、湖南師範大学歴史文化学院の周秋光教授の協力を得て、前回に聞き取りを行った5人のインフォーマントのうち2人に補充を行うことができた(補充できなかった3人のうち、1人は病死、1人は入院中、1人は連絡が取れなかった)。また、新たに3名のインフォーマントに対して、(1)儒学教育を受けた期間、(2)儒学教育のテキストや内容、(3)教員の教授法、(4)儒学教育がその後の人生に与えた影響、などの項目について各人1回ずつ聞き取り調査を行うことができた。これら前年度・本年度に実施した聞き取りの内容についてはテープ起こしを行い、文字化して整理した。 ②文献史料の収集については、(1)湖南図書館において、『湖南省志 教育志』など1930~40年代の学校教育に関する地方文献史料、(2)南京図書館において、『読経問題』や『学校管理法』など、1930年代の儒学教育や学校教育に関する史料、(3)南京大学図書館・南京農業大学図書館・南京林業大学図書館において、『中華農学会報』や『農林新報』など1930年代に刊行された1930年代の都市・郷村における学校教育に関する史料、をそれぞれ閲覧して必要部分を写真撮影することができた。
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