研究課題/領域番号 |
25870880
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
伊藤 修毅 日本福祉大学, 子ども発達学部, 助教 (80634089)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 特別支援学校高等部専攻科 / 「学びの作業所」 |
研究概要 |
本研究は、知的障害児に対する継続教育を実施している場として、特別支援学校高等部専攻科と「学びの作業所」を主たる対象としている。このうち、特別支援学校高等部専攻科については、全校への訪問調査を実施することができた。各校での見学、資料収集、インタビュー調査を通し、専攻科の教育課程が、専攻科以前の教育との接続性に対する方針によって影響されることなどを明らかにすることができた。また、その多くが、私立特別支援学校であるため、公立特別支援学校とは明確に異なる特色があり、その点が、公立校への汎化を困難にさせている要因ということもうかがえた。 「学びの作業所」については、正確な存在数の把握が困難であるが、3箇所の訪問調査、関係する研究会への参加などから、おおよその全体像を確認することができた。今後、量的調査による把握を行う計画であるが、その準備として必要な情報は収集することができている。 また、継続教育の教育内容として「性教育」と「キャリア教育」に焦点を絞って検討することも目的にしていた。「性教育」については、教育課程上の位置づけが明確になっている専攻科1校と「学びの作業所」1事業所において、詳細な聞き取りが実施することができた。また、この成果と従前に得ていた研究結果を合わせて検討し、8月に中国・成都で行われたアジア性教育学術会議で、10月に札幌で行われた日本特別ニーズ教育学会において報告するができた。「キャリア教育」については、多様性があり、今年度は、体系的なまとめを行うに至っていないが、次年度の量的把握の中で、整理できるものと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画の1つ目として、「継続教育の教育課程の比較」を挙げたが、特別支援学校専攻科間の比較は完了し、すでに報告準備に入っている。しかし、専攻科と「学びの作業所」の比較については、数件の質的調査を追加する必要がある。 研究計画の2つ目として、「継続教育の教育内容の精査」を挙げ、そのための準備を整えることを今年度の到達目標としたが、予定通り到達することができた。 研究計画の3つ目として、「知的障害者継続教育のニーズの検討」を挙げ、量的調査を行うための準備を今年度の到達目標としたが、調査票のデザインには至らなかったものの、おおよその調査計画を立てることはできた。
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今後の研究の推進方策 |
特別支援学校専攻科に関わる研究は、おおよそ完了しており、学会(日本特殊教育学会、日本特別ニーズ教育学会)での発表に向けて進めていきたい。 今年度は、「学びの作業所」に関わる研究が主となる。5~10箇所程度の質的調査(訪問調査)を実施すると同時に、障害者総合支援法に基づく自立訓練(生活訓練)事業所の量的調査を実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品費については、想定よりも安価なものが入手できたこと、旅費ついては、同時に複数箇所の訪問を行ったことなどによって、次年度使用額が生じた。人件費、謝金については、謝金の支払いを想定していたが、現実には支払う必要がなかったため、次年度使用額が生じた。 物品費については、引き続き計画的に無駄のないように使用していく。旅費については、「学びの作業所」の訪問回数を当初予定数に若干の上乗せする。人件費、謝金については、今年度は、量的調査実施のため、アルバイトの雇用を予定しており、その人件費にあてたい。
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