特別支援学校高等部を卒業した知的障害者の進学率は0.5%である。これは、通常の高等学校卒業生の1%に満たない。この格差を是正するためには、知的障害者に対応した高等教育機関や継続教育機関が必要である。本来は、特別支援学校高等部専攻科がこの役割をになうべきであるが、現時点で、数が限られている。一方で、「学びの作業所」と呼ばれる自立訓練(生活訓練)事業所が、その役割を担う取り組みを始めている。専攻科の教育課程は、柔軟であり、また、職業訓練に偏重することも少なく、バランスがよい。また、「学びの作業所」は、知的障害者に学生期間を保障することに留まらず、学校教育の内包する課題の解決にも寄与している。
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