研究課題/領域番号 |
25870881
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研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
林 尊弘 日本福祉大学, 健康社会研究センター, 客員研究所員 (40649787)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 転倒予防 / 一次予防 / 地域在住高齢者 |
研究実績の概要 |
平成26年度には既存データ(2010-11年度調査)と2013年度調査データを活用した研究成果の発表を行った。 まず,既存データ(2010-11年度調査)を活用した分析から以下の3点が明らかとなった。①地域レベルの分析から,スポーツグループへの参加が多い小地域ほど,その地域の転倒率が低下している。②個人レベルの分析から,多くの個人・環境要因の影響を考慮しても,スポーツグループへ週1回以上参加している者では,参加していない者と比較して転倒発生が少なく,参加頻度が多いほど転倒発生が少ない。③スポーツの趣味活動に着目すると,男女ともウォーキングと体操・太極拳の両方を趣味としている者で転倒発生が最も少ない。なお,①,②については論文がアクセプトされており,③については現在,論文を執筆している。 次に,2013年度調査データを活用した分析では,個人の身体活動の実施頻度などを考慮しても,ひとりで運動を行うより,スポーツグループで運動を行う者で転倒発生が少ないことが明らかとなった(論文投稿中)。 上記の結果から,横断研究のため因果関係までは明らかとなっていないが,地域にスポーツグループを増やし,そのグループへの参加を促すことが転倒予防の一次予防の可能性となることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2013年度調査データについては,順調にデータクリーニングも進行しており,調査データを用いた研究も実施できている。また,既存データ(2010-11年度調査)との結合作業も終了しており,パネルデータを用いた分析も可能な状態になっている。
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今後の研究の推進方策 |
2010-11年度調査データと2013年度調査データを結合したパネルデータを使用した分析を行う。具体的には,2010年度調査や2013年度調査の横断データより明らかとなったことについて,パネルデータ分析より時間的前後関係を考慮した検討を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
日本老年学的評価研究プロジェクトの会議(月1回実施)に数回参加することができず,旅費が予定より少なくなったために生じた残額である。
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次年度使用額の使用計画 |
本研究課題に関する情報収集や成果発表を目的に国内外の関連学会への参加を予定しており,その旅費が必要となる。また,本研究課題の研究成果の発表に伴い,人件費,英文校閲料,投稿料などが必要となる。そのため,これらに研究費を充当する予定である。
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