研究課題/領域番号 |
25870882
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
柳沢 究 名城大学, 理工学部, 准教授 (60368561)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ヒンドゥー教 / ヒンドゥー寺院 / ヴァーラーナシー / 増築 |
研究概要 |
平成25年度はヴァーラーナシーにおける現地調査を実施し(2013年9月8日~25日)、以下の調査を行なった。 ①寺院および融合寺院の分布調査:1929年および2000年の1/1000地図を基に、旧市街中心部に設定した調査範囲内の全街路を歩き、ヒンドゥー寺院を目視で確認し位置の記録・写真撮影を行うとともに、その寺院が融合寺院であるかどうかを判定しデータベース化、寺院および融合寺院の分布および外観形状に関する悉皆的把握を行なった。 ②ヒアリングおよび実測予備調査:①において確認した融合寺院から数件をピックアップし、所有関係・寺院の使用管理状況・現況に至る建設プロセス等について、住民(所有者)に対する予備的なヒアリング調査を行なった。また、平面および断面の簡易な実測を行なった。 調査の結果 537 件のヒンドゥー寺院を確認し、うち3割近くを融合寺院と判定した。また融合寺院における母体となる寺院と隣接建物との融合形態の類型化を試み、寺院の象徴性に関わる「頂華」の扱いおよび平面的融合の度合いを基準に、基本的な4類型を抽出した。融合寺院の分布や融合形態の類型に関する考察からは、それらの状況の差が、周辺状況や使用者の属性にかかる床面積増大の要求の大小、寺院の重要度や使用頻度などの諸条件に基づいて生じていることが伺われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ当初の計画通りの調査を実施し、分析をすすめている。
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今後の研究の推進方策 |
融合形態の類型化の分析をより精密に行うことで、融合に至る背景を推察するとともに、実測調査を本格的に実施し、個々の融合寺院の空間構成(平面・断面)の特質および使われ方を把握する。また、住民(所有者)への詳細なヒアリング調査により、具体的な形成プロセスや所有関係の変化を把握し、融合に至る条件を検討するとともに、内包された寺院の生活意識における位置付けを明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初予定していた物品の購入にあたって、一部を所属機関において配分される研究費から拠出できたことと、一部機器(PC)の購入を次年度に見送ったことが大きい。また、調査におけるデータのとりまとめが遅れ、人件費の使用が計画より下回ったことによる。 昨年度購入を見送った機器の購入に充てるとともに、現地におけるヒアリング調査および実測調査の本格的実施、およびデータのとりまとめに重点的に使用する。
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