女子水泳の競技環境が整備されていく初期には、日本女子水上競技連盟(女子水連)やその委員が重要な役割を果たしていた。この組織は元選手を中心に女性のみで運営するという特徴を備えていた。他方、日本水泳連盟(水連)が女子水泳の普及と強化に着手したのは1932年以降であった。1932以降水連の事業方針は老若男女を含む水泳の全国普及へと変化した。これにより水連は委員会の1つに女子部委員会を設けた。その委員もまた全員が女性であり女子水連の委員が登用されていた。本研究の結果、女性スポーツ黎明期の女子水泳は、元選手である女性たちによって牽引され、彼女たちの自発的な活動が水連を動かす契機となり組織化を進めていた。
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