本研究の目的は、生活習慣病患者のファンクショナル・ヘルス・リテラシーと自己効力感が、長期的な検査値や自己管理指標などのアウトカムの変化に与える影響の解明と共分散構造分析を用いたその構造化モデルの構築である。また、生活習慣病患者のファンクショナル・ヘルス・リテラシーと自己効力感の仮説モデルを検証し、今後の教育プログラム開発等の応用研究への研究基盤を確立することである。 最終年度は遅れていたデータの入力と分析を行った。本研究では、研究参加者を2型糖尿病患者とした。研究は個人病院・総合病院・大学病院などの5施設で行われる予定であったが、1施設は除外された。そのため、研究参加者は4施設からリクルートされた。調査はベースライン調査とベースライン調査から半年後の中間調査、ベースライン調査から1年後の最終調査の計3回行われた。ベースライン調査では、ファンクショナル・ヘルス・リテラシーの測定と2型糖尿病患者用の自己効力感尺度、自己管理指標を用いて、自己効力感や自己管理状況などの測定を行った。また、カルテからの情報収集も進めた。中間調査は、ベースライン調査を終了した対象者に対して、2型糖尿病患者用の自己効力感尺度と自己管理指標を用いて、自己効力感や自己管理状況などの測定を行った。また、カルテからの情報収集も進めた。カルテからの情報収集が不可能な場合は、対象者へ検査値の自己申告を依頼した。最終調査は、ベースライン調査と中間調査を終了した対象者に対して、中間調査と同様の内容をデータ収集した。ベースライン調査の研究参加者のうち半年後の中間調査と1年後の最終調査へ参加した研究参加者は減少した。ファンクショナル・ヘルス・リテラシーと自己効力感が、HbA1c値や糖尿病患者の自己管理指標に与える影響について仮説をもとに分析した。
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