本研究では、ベトナムにおける宗教組織とそこでのシングル女性の活動のあり方の分析を通じて、家父長的な当該社会におけるシングル女性の生活世界を具体的に検証することを目的に、文化人類学的調査を実施した。 調査は主にホーチミン市(南部地域)で活動するカオダイ教系の宗教組織を対象に、H25年度8月、2月、H26年度8月、2月、H27年度8月の間の合計4か月間実施した。その結果、代表者が長年実施してきたハノイの組織と比較可能な程度の資料を収集することができた。またそれらの分析から、宗教組織の社会的意味と、その活動に参与しながら自らの生を再編し生きるシングル女性の生活世界について明らかにした。
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