研究課題/領域番号 |
25870900
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
西村 嘉晃 同志社大学, 高等研究教育機構, 助教 (50508603)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 発生学・形態形成学 / 発生医学 |
研究実績の概要 |
本研究では神経細胞の移動様式の変化を周囲の血管網がどのように制御しているかを明らかにすることを目的としている。 脳形成期における血管網形成はこれまで十分に理解されてこなかったため、血管レポーターマウスの脳切片を発生の各ステージで固定して、血管網形成の様子を詳細に観察することが必要であった。 そこで、血管レポーターマウスとしてFlt-tdsRed BAC Tgマウス(Matsumoto et al. Genesis, 2012;50:561-71)を用いて、脳形成期の血管網形成の様子を共焦点顕微鏡を用いて観察したところ、脳の血管網は脳の領域ごとに異なるパターンを示すことが明らかになった。ところで、神経細胞移動も脳の領域ごとに異なるパターンを示すことが知られているため、両者の間には何らかの関連性があることが予想された。この関連性を明らかにするためには、脳血管、神経細胞の詳細な形態変化の様子を記録し、それらをつなぐ機構を明らかにしていく必要性が生じた。そこで、本年度は実験計画を一部変更して、まず比較的解析が容易な移動神経細胞側の形態変化を制御する機構を解析し、Cdk5やJNKの関与を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究科の移転のため一時的に実験が出来なくなり、予定より研究がやや遅れてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
今後、神経細胞の移動様式の変化を周囲の血管網がどのように制御しているかを追究していく。まず、これまでに得られた脳血管網の発生の様子を論文にまとめる予定である。これと平行して、移動神経細胞の形態変化の制御機構の解析によって得られた分子機構を参考にして、血管形成を阻害したときの神経細胞移動への影響について検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究科の移転があり実験が出来ない期間が生じたため、予定より研究がやや遅れてしまった。そのため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
今後、神経細胞の移動様式の変化を周囲の血管網がどのように制御しているかを追究していく。まず、これまでに得られた脳血管網の発生の様子を論文にまとめて、これと平行して、血管形成を阻害したときの神経細胞移動への影響について検討していく。以上の方針で遅れを取り戻して当初予定していた計画通りの予算使用をする。
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