研究課題
1.初代培養ラットアストロサイトに脳内移行性薬物を投与し、アストロサイトに発現するGM1ガングリオシドを発現調節する物質を今年度スクリーニングを行った。その結果、統合失調症治療薬のハロペリドールがGM1ガングリオシド発現を顕著に発現誘導することを見出した。この発現変化にはオピオイド受容体にσ受容体が関与していること、また、MAPK(erk1/2)を介していることが分かった。また、この変化に伴って、GM1ガングリオシドが豊富に含まれるオートファゴソームが著しく蓄積することを明らかにした。現在、論文に投稿中である。2.スタチンによって、初代培養アストロサイトが発現しているAβ分解酵素の発現に影響を与えるのかどうかを検討した結果、脂溶性スタチンがネプリライシンの発現量に影響を与えており、その効果はコレステロール合成系によるものではなく、別の効果としてMAPK(Erk1/2)を介していることが分かった。また、この影響によって細胞膜上でのネプリライシンが、細胞外へ放出されることによってAβの分解を細胞外で促進することが明らかとなった。この研究結果については論文にて報告することができた。3.上記1.のアストロサイトを用いたGM1ガングリオシド発現に対する検討を行うために、現在再度スクリーニングを行っている。4.上記2.のスタチンによる検討以外にもインスリン、茶の成分のカテキン類による検討によりネプリライシン及びインスリン分解酵素の発現変化を明らかにした。今後、更なる検討を加える。
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Glia
巻: 64 ページ: 952-962
10.1002/glia.22974. Epub 2016 Feb 15.
Diabetes
巻: 64 ページ: 3725-3736
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