本研究は、自発的な行為者が存在しないことで問題解決が図られない「ボランティア・ジレンマ」の状況にある地域コミュニティにて、NPOにより社会的包摂推進が図られるメカニズムを明らかにすることを目的としたものである。カナダの、とりわけトロントのNPOを対象に調査を行った。カナダのNPOでは、「排除されがちな人々」の参加を促し、地域コミュニティに包摂する仕組みがある。さらには、大学との連携によってワークショップを開催したり、サービスラーニングやコミュニティベースドリサーチを実施したりと、「外部者」とお互いに利益ある関係性を構築し、マンパワーの動員する動向が見られた。
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