本研究は、「新日本窒素労働組旧蔵資料」の調査を通して、〈新日窒労組主婦の会〉の活動概要の把握と、その女性運動としての特質の分析を試みたものである。主な成果は以下の7点となる。 〈主婦の会〉は、①1959年の組織統一以降、独自のメディアを活用することで、会の主婦たち自身の声を共有していた。②組合の闘争支援のみならず、学習・調査・文化活動など、多様な活動を展開した。③組合活動に積極性・主体性を強くもって臨んだ。④主婦の賃労働に関する独自の提起を行なった。⑤闘争の経験により自らに自信をつけていった。⑥画期的な環境運動・生活者運動を自律的に牽引した。⑦主婦役割・母役割を前提とする点で限界を有していた。
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