植物由来の芳香族ヒドロキシ酸であるフェルラ酸のもつ抗菌性・抗酸化作用や、熱可塑性・溶剤可溶性を有する芳香族セルロースエステル誘導体の合成を目標として、アセチル化フェルラ酸セルロース(AcFA-Cell)の合成条件を検討した。フェルラ酸のアセチル化により得られたアセチル化フェルラ酸とセルロースを用いて、無水トリフルオロ酢酸を用いた不均一条件下でのエステル化を行うことで、最大置換度2.2、分子量約60万のAcFA-Cellが得られた。AcFA-Cellはガラス転移点を150~170℃で示す熱可塑性プラスチックで、さらに汎用有機溶剤であるクロロホルムを用いてフィルム化も可能であることがわかった。
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