研究課題/領域番号 |
25870923
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
研究機関 | 京都文教大学 |
研究代表者 |
倉西 宏 京都文教大学, 臨床心理学部, 講師 (40624284)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 複雑性悲嘆 / グリーフケアグループ / バウムテスト / 風景構成法 / 喪失の語り |
研究概要 |
2013度は以下の内容の調査を実施した。遺児大学生への死別体験をわかちあう会であるグリールケアグループの意義を見出すために、研究協力を行っていただける遺児大学生を募集し、グリーフケアグループを実施した。実施の内容は以下の通りである。 ①「親との死別体験をわかちあう会」と名付けたグリーフケアグループ(以下GCG)を、1回90分、1,2週間に一回の間隔で全5回実施した。②グリーフケアグループ実施前に複雑性悲嘆質問票(ICG)、バウムテスト、風景構成法、死別体験に関する半構造化面接を実施した。GCG終了後に2回目の調査を行った。そこではGCGの振り返りと共にICG・バウムテスト・風景構成法を再度実施した。これらのプロセス1回を通して1クールとし、これを合計2クール行った。2クール目にも1クール目同様に事前面接を行った。2クール目の事後面接は2014年度に行われる。 親との死別体験をわかちあう会においては1クール目は語りによる体験のわかちあいを中心に行った。2クール目には語りのわかちあいと共に、箱庭療法や箱庭療法の用具を用いたワーク等も行った。 また、GCGに参加しない対照群を設定し、GCG参加群の調査時期と同じ時期に個別調査を行った。面接における心理検査等は同じものであり、インタビューではその期間での死別体験に関する影響が与えられるような体験の有無等も確認するようにした。 また、先行研究の資料収集を行い、文献研究の準備を進めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
25年度に予定していた2クールにわたるグリーフケアグループ(GCG)の実施、その前後の調査、GCGに参加しない対照群への調査全てが終えられたため。 研究に必要な資料の整理や、文献研究的側面の進行度、調査データの処理等が若干遅れているため、「おおむね順調」という選択にした。
|
今後の研究の推進方策 |
2014年度には2クール目の振り返り面接を行い、同様のグリーフアグループをさらに1クール実施する。さらに半年後に追跡調査を行う。課題としては研究協力者が継続して研究に協力可能かどうかが焦点となる。多くの協力者が継続協力困難となると、新しく協力者を募る必要性があり、その際にどのように募集を行い協力者を募るかが大きな焦点となるだろう。また、2013年度に続いて調査内容が多く、得られるデータ内容が膨大になるため、比例してそれらをまとめる時間も必要になる。それらは3年目の1年間でまとめていきたい。
|
次年度の研究費の使用計画 |
大学内の研究費から捻出できる部分があったため、予定よりも少ない金額となった。 また、予定よりも協力者への謝金等が少なく済んだこともその理由の一つでもある。 次年度には学会発表等も複数回行われることが見込まれ、その部分に予算が必要になってくること、また今年度実践した上で新たな備品の必要性がいくつか出てきており、その部分に予算を使用する必要性が出てくるだろう。
|