本研究では、新規プロテオーム解析法によって乳癌細胞におけるタキサンに対する耐性獲得に関する新規蛋白質を同定した。 乳癌細胞株(MCF-7)と、そのパクリタキセル耐性獲得細胞株(MCF-7/TAX)を用いて、改良型2次元電気泳動法で蛋白質を分離し、両者の発現を比較して耐性獲得に関連する蛋白質を同定した。その結果、多くの蛋白質に発現の差異を認めた。これらのうち、MCF-7/TAXに過剰発現していた蛋白質Aに注目した。MCF-7/TAXにおいて蛋白質Aの発現をノックアウトさせたところ、パクリタキセルに対する感受性が回復した。 蛋白質Aがパクリタキセルに対する耐性獲得に関連することが示唆された。
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