研究課題/領域番号 |
25870942
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
竹下 裕子 (吉田 裕子) 摂南大学, 看護学部, 講師 (10437668)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 終末期がん看護 / ターミナルケア / 啓発教育 |
研究概要 |
少子高齢社会にとって、がんの終末期を迎える人と家族を地域で支えるためには、地域で患者を支える若者の増加が特に必要ではないかと考え、対象を若者にしぼって啓発プログラムの案を作成し、プログラムの実施・評価を行った(平成25年6月)。具体的には、看護系以外のA大学の大学生・大学院生31名を対象にプログラム(ターミナルケア講義60分及び遺族の講演30分、計90分の授業)の実施、および“末期がん”に対するイメージおよび患者支援に対する意識についてアンケート調査を実施。その結果、大学生は“末期がん”に対して苦痛や恐怖のイメージを抱いているが,支援の実際についての講義や遺族の講話によって,希望をもって生きる人間像を抱いたと考えられた。また、自らの支援の可能性について,がん終末期の人との関わりの体験有り者は,体験に即した現実的支援から,さらに支援の可能性に広がりを示すことができた。一方,体験無し者は,授業内容がそのまま反映された抽象的な支援が導き出されている。しかし,支援を見いだせなかった者も13%いたことは,患者支援を現実的に捉えることの難しさを浮き彫りにしたと考えられた。特に,末期がんと診断された人と接する体験が無い若者に対しては,末期がんと診断され,死を予期しつつ生きる若者と接する機会を設けることや,映像を通して関心を高め,自分にできる支援を考えさせる教育プログラムの必要性が示され、次のステップへつなげたいと考えている。この結果は、平成25年12月に第19回日本臨床死生学会大会(東京)にて成果発表(口演)をした。アンケートを平成26年度も追加実施して対象者数を増やし、論文を発表したい。また、平成26年2月20日に関連する論文「終末期がん患者の身近な人々とのつながりを維持するための行動」が日本臨床死生学会により「原著論文」として採択された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3年間という期間内で、計画の順序性や内容を一部変更はしているが、研究目的の達成度という視点ではおおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
試行プログラムの対象者数を増やして評価し、その後プログラムを推敲し実施すること。また、「地域性」を取り込む必要があるため、今後、大学が立地する地域での調査・プログラムの実施・評価につなげていくこと。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額が生じた主な理由は、今年度、大学生を対象としぼったため、対象者謝礼金が必要とならなかったためである。 次年度以降、一般地域の人々を対象にアンケート実施時に、対象者謝礼金が必要となる。
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