本研究の目的は、家族関係や療養環境が神経難病患者(ALS)の人工呼吸器装着・非装着に与えている影響について示すことである。そのために、在宅療養の構築の過程についてインタビューを行い、ジェンダー視点で検討した。 その結果、以下の2点が示唆された。第一に、女性の家族は主介助者となりやすく、それにより、ALS患者の在宅生活が可能となっていることが挙げられる。在宅生活が可能となることで、ALS患者は人工呼吸器装着の選択へと結びつく可能性が示唆された。第二に、主介助者が男性の家族の場合には仕事を継続し、介護サービスを利用することで、ALS患者の在宅生活が継続可能となることが示唆された。
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