研究課題/領域番号 |
25870952
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
吉川 有葵 摂南大学, 看護学部, 講師 (20614085)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 腎移植 / 臓器移植 / 妊娠 / 出産 / 看護 / 育児 / レシピエント |
研究実績の概要 |
本研究は、腎移植レシピエントの妊娠・出産・育児を取り巻く要因とQOLとの関連を明らかにするとともに、それをもとにして腎移植レシピエントの妊娠・出産・育児に対する看護支援モデルを開発することが目的である。 平成25年度は、文献検討を行い、腎移植レシピエントにおけるQOLについて文献レビューとしてまとめ、その結果および申請者らの先行研究の結果より、従属変数をQOLとした腎移植レシピエントの妊娠・出産・育児を取り巻く要因の因果モデルを構築した。それらをもとに、平成26年度は調査票を作成し、倫理審査委員会の審査を受け、調査票配送の準備を整えた。 平成27年度は、国内で腎移植を実施している160施設へ研究依頼書、調査票を発送し、研究協力の依頼を行った。結果、21施設で症例が存在、同意を得ることができ、85症例へ調査票の配布を実施し、3月末時点で60症例の調査票を回収できている(回収率70.6%)。現在、1施設においては倫理審査委員会の結果待ちである。 また、平成27年度はアジア移植学会において平成25年度に行った文献検討の結果である「日本における腎移植後の妊娠・出産に関する文献レビュー」について学会発表を行った。文献検討では、日本も他国と同様に腎移植後の出産は低出生体重、早産傾向であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究対象者の安全性を確保するため、研究協力施設へ倫理審査申請を依頼したが、倫理審査委員会の開催時期や承認を得るまでの時間が施設によってばらつきがあり、平成27年度に予定していた調査票の回収と分析が倫理審査の承認を得るのに時間を要して6カ月遅れた。国内での症例数が多くはないため、研究対象者を確実に確保するためにも、倫理審査委員会の承認を待つ必要があったため。
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今後の研究の推進方策 |
今後の方策としては、回収できた調査票のデータを分析ソフトに入力し、因果関係モデルの検証を行う。対象者の属性等は記述統計量を算出する。因果関係モデルは、構成要素間の関係、寄与率を明らかにするために共分散構造分析を行い、モデルのデータへの適合度を検証し、モデルの有用性を確認する。これらの因果関係モデルの結果および、医学的見地・看護学的見地を踏まえ、腎移植後に挙児を希望する患者への看護支援モデルを開発する予定である。 研究成果は、国内に限らず海外への発信も視野に入れ、論文の投稿、研究発表を行っていく。また、研究協力施設へも研究結果を返答していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究対象者の安全性を確保するため、研究協力施設へ倫理審査申請を依頼したが、倫理審査委員会の開催時期や承認を得るまでの時間が施設によってばらつきがあり、平成27年度に予定していた調査票の回収と分析が倫理審査の承認を得るのに時間を要して6カ月遅れた。国内での症例数が多くはないため、研究対象者を確実に確保するためにも、倫理審査委員会の承認を待つ必要があったため、次年度に研究を実施する必要が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
データの分析、および研究成果の発信(学会発表、論文作成)に使用する予定である。
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