本研究の目的は、①ネットいじめの様相に関する基本的認識、②被害に対するリスク認知、③被害に対する不安、④匿名性信念、そして⑤被害予防意識の5つの心理的要因の相互関連性を検証し、ネットいじめ被害・加害の予防と対応に役立つ知見を得ることであった。携帯電話の普及率が95%以上という青年期後期の若者を対象に無記名自記式の質問紙調査を実施した結果、ネットいじめの様相について従来型いじめと同様の理解をしていることが示された。またリスク認知、被害不安はともに過去にネットいじめ被害経験をもつ者は有意に高く、高いリスク認知と被害不安は低い匿名性信念と合わさることで、高い予防意識へとつながることが示された。
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