研究課題
女性における足趾握力と変形性膝関節症(膝OA)との関係について、国内の5病院の変形性膝関節症患者(OA群)と奈良県内の2つの自治体主催の住民向けイベントにおいて下肢に手術歴・重篤な既往歴のない参加者(対照群)を対象に、OA群121名と対照群67名のデータを解析し、比較した。結果は対照群に対してOA群は年齢が有意に高齢で、BMIが有意に高値であったが、足趾握力と等尺性膝伸展筋力はOA群で有意に低値であった。多重ロジスティック解析おいては膝OAの有無と年齢、BMI、足趾握力、等尺性膝伸展筋力が有意な関連を示した。すなわちOA群は対照群と比較して足趾握力が有意に低下しており、多重ロジスティック回帰分析でも足趾握力の低下と膝OAの発症との間に有意な関係が見られたことから、足趾握力の低下は膝OAの発症あるいは進行に関与する要因の一つである可能性が示唆された。上記のデータ解析結果についてWorld Confederation for Physical Therapy congress 2015においてポスター発表によって成果報告を行い、Early career researcher awardを受賞した。
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