研究課題
若手研究(B)
本研究の目的は、作業機能障害の存在率を調査し、医学的指標との関連性を明らかにすることである。作業機能障害と医学的指標との検証をする前に、精神機能(職業性ストレス等)と血液テータ等の関連性を先に明らかにする必要があったため、作業機能障害の存在率の調査とあわせて実施した。今後は作業機能障害を含め、血液データ等との関連を調査していく予定である。1.勤労者における作業機能障害の存在率は約75%であった。種類別存在率は、作業周縁化41.5%、作業疎外47.7%、作業不均衡61.5%、作業剥奪40.0%であった。現在約600人のデータでも解析を進めている。 2.作業機能障害と職業性ストレスには正の相関を認めた。またBMI、血圧とも関連が認められた。(WFOTで発表予定)。 3.職業性ストレスは年配者に多く、過去の喫煙や少量の飲酒、呼吸機能の低下や高HDL-Cと関連していた。抑うつ気分は若年者で飲酒、低HDL-Cと関連していた。精神機能は、血圧や動脈硬化等の循環器疾患との関連性の可能性が示唆された(第86回日本産業衛生学会で発表)。 4.呼吸機能(FEV1%、FeNO)が高くなるほど、職業性ストレスは低くなることが認められた(第87回日本産業衛生学会で発表予定)。
2: おおむね順調に進展している
当初予定していた対象者から急遽協力が得られないことになったため、可能なところから研究をスタートさせた。また、作業機能障害と医学的指標の関連性を検証する前に精神機能と血液データや生活習慣との関連性を先に調べる必要があったため、そちらの研究から開始した。
血液サンプルを提供してもらえる企業を探し、依頼中である。また現在論文を投稿中である。
当初、鍵付き保管庫を購入予定にしていたが、大学から保管庫を提供されたため、購入していない。また研究協力が得られなかったことより、できるところから研究を開始したため。今年度申請した予算と合わせて使用する予定である。
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