研究実績の概要 |
本研究の目的は、急速な人口減少と高齢化が進む中山間・離島地域における小地域ネットワーク活動の現状及びその効果的な活動の継続について実証的に明らかにすることである。特に、小地域ネットワーク活動の阻害要因と促進要因を定性的研究・定量的研究の双方のアプローチから検証を行い、中山間・離島地域における小地域ネットワーク活動の効果的な継続のためのモデル構築を行うことを狙いとしている。 研究最終年である平成28年度には、小地域ネットワーク活動のうち、(1)ふれあい・いきいきサロンの活動効果に関する質的・量的把握、(2)地域における見守り活動の水準及び促進・阻害要因についての質的把握、以上大きく2つの研究成果をまとめた。 実際の成果物としては、ふれあい・いきいきサロンの効果とその規定因に関する量的研究論文を1編、ふれあい・いきいきサロン活動を担うボランティア住民の肯定的活動評価に関する質的研究論文を1編発表した。学会発表としては、専門職を対象とした地域内の見守りに関するインタビュー結果の分析結果について、国内で口頭発表(日本社会福祉学中国・四地域ブロック、第48回山口大会)および、国際学会(Joint World Conference on Social Work, Education and Social Development 2016、ソウル大会)にてポスター発表をそれぞれ行った。 以上により、人口減少と高齢化が進む地域における小地域ネットワーク活動の重要性について、特に、地域住民や要援護者を支える「面」の支援(例:サロン活動)、さらには、要援護者へ個別の働きかけを行う「点」の支援(例:見守り活動)、それぞれの利点を活かした地域の支え合いの仕組み作りの効果を実証的に確認することが出来た。
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