研究概要 |
1. アルキン三重結合の切断反応 アセトニトリル/ジクロロエタン混合溶媒中,電子豊富なアルキンをN-ヨードスクシンイミドおよびトリメチルシリルアジドと反応させると,アルキン三重結合の切断反応が進行し2当量のニトリルへと変換されることを見出した.中間体として単離したヨードビニルアジドを,さらにN-ヨードスクシンイミドとトリメチルシリルアジドで処理するとニトリルに変換されることを確認した.三重結合のヨードアジド化により,ヨードアルケニルアジドを経由したのちパラ位電子供与性基の影響により切断反応が起こったと考えられる. 2. アルキニルアルコールの特性を活用する新規タンデム反応の開発 アルコール存在下,プロパルギルアルコール誘導体をルイス酸触媒で処理すると,Meyer-Schuster転位によるα,β-不飽和ケトンの生成と続くアルコールの1,4-付加によりβ-アルコキシケトンが得られた.また,オルト位に窒素求核剤を持つ基質を用いると,分子内1,4-付加が引き続いて起こることでキノロンを得ることができた.
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