本研究の目的は,日本版就労支援・職業教育担当教員の専門性向上及び獲得eラーニングプログラムを開発することであった。このプログラム開発では,客観的指標を用いた専門性自己評価チェックシートも併せて開発し,eラーニングプログラム内に組み込むことで,教員自身の就労支援・職業担当教員としのキャリア発達を促し,生徒の職業自立を可能にする質の高い就労支援及び職業教育を実現することをめざした。本研究では,研究計画及び方法に従い,国内外の資料や情報収集から就労支援・職業教育を担う教員に求められている知識・スキルを整理し,自己評価チェックツールを開発した。また国内の就労支援・職業教育を担う教員を取り巻く環境や現状から,eラーニングプログラムに組み込むべき内容を精選した。最終的に9領域62講座からなるeラーニングプログラムを開発した。設定された領域は,①特別支援教育の基本枠組みとキャリア教育,②職業自立を支える支援の枠組みと施策動向,③支援を要する生徒の職業自立の課題と動向,④職業リハビリテーションの理念と枠組み,⑤職業リハビリテーションと関係機関,⑥保護者連携と立ち直りの哲学,⑦職業リハビリテーションのアセスメントと支援の技術,⑧演習課題,⑨人材育成に関わる諸課題の9つである。62の講座は,それぞれの領域を含む7つのコースで編成されている。総合編コースでは,62すべての講座が受講できます。職業教育・就労支援を初めて学ぶ先生向けの①導入編コース,職業教育・就労支援を学び始めた先生向けの②初級編コース,実践に活かせるスキルや知識を学びたい先生向けの③実践編コース,これから進路指導を担う先生向けの④人材育成編コース,学内や学外との連携の課題解決について学びたい先生向けの⑤連携課題解決編コース,職業リハビリテーションの施策動向や機関について知りたい先生向けの⑥職業リハビリテーション編コースを設定した。
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