フランス現代哲学の思想家たち、なかでもドゥルーズのテクスト分析を行った。これまで家族や結婚に対して否定的・破壊的な態度をとっていると思われてきた著者のテクストを丹念に読み直すことで、家族主義の否定であって、家族そのものの否定ではないことを改めて確認し、さらに、彼の主体観と欲望概念・性概念を結びつけることで、より深く包括的なドゥルーズ読解を提示することができた。「分人主義的結婚は可能か?ドゥルーズ=ガタリの『アンチ・オイディプス』を読み直す」、『Humanitas』第7号(玉川大学人文科学研究センター、2016年3月)や岩野卓司編『共にあることの哲学』(書肆心水、2016年4月)が成果である。
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