研究課題/領域番号 |
25870990
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
平 順一 久留米大学, 医学部, 助教 (20549612)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | HMGB1 / NLS / PP2A / RAW264.7 |
研究概要 |
PP2Aの阻害剤であるendothallによってマウスのマクロファージ細胞株であるRAW264.7を処理すると、HMGB1が細胞外へ漏出するという現象がこれまでに認められていた。平成25年度は「PP2AによるHMGB1の分泌抑制メカニズムの詳細の解明」を目指し、主にHMGB1の細胞内局在とPP2Aの酵素活性との関連に関する研究を行った。当初の計画通り、GFPを融合したHMGB1の変異体を多種調整し、細胞内局在を調べた。HMGB1の細胞質への移動は、蛍光顕微鏡による上記GFP融合HMGB1の細胞内局在の観察にて評価した。その結果、HMGB1のNLS1およびNLS2は独立した核移行シグナルとして機能し、NLS1ではSer46のリン酸化がNLS1の核から細胞質への移動に関与することを示唆する結果を得た。次にproximity ligation assayを用いて、RAW264.7内にて、内在性ののHMGB1とPP2Aがどの場所で相互作用しているかを調べた。その結果、両者は主に細胞質中で相互作用を示すことを確認した。PP2Aの阻害タンパク質の発現はHMGB1の分泌を引き起こすことが考えられたため、PP2Aの阻害タンパク質として知られるCIP2AをGFP融合HMGB1とともに発現させ、CIP2AによるPP2Aの阻害がHMGB1の細胞質への移行に与える影響を評価した。その結果HMGB1の核から細胞質への移行にPP2Aがタンパク質レベルで関わっていることを示唆する結果が得られた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成25年度に計画していた「PP2AによるHMGB1の分泌抑制メカニズムの詳細の解明」を終了し、平成26年度に計画している「HMGB1の分泌におけるGSK-3の役割の解明」の内容を遂行中であり、現在までに予定していた内容の大部分を完了した。
|
今後の研究の推進方策 |
平成26年度の研究計画を完遂し、直ちに平成27年度の研究計画である「HMGB1のリン酸化に直接関与する因子の探索とそれらのリン酸化特性の解析」に移りたい。
|
次年度の研究費の使用計画 |
購入予定であった抗体が、現在メーカーで生産中であり、この抗体の完成時期が未定との連絡を受け、注文は昨年度一旦キャンセルしたため次年度使用額が生じた。 キャンセルした抗体が完成次第、当該の次年度使用額をこの購入費用に充当したい。
|