研究課題/領域番号 |
25870993
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
八木 健太郎 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (30352222)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 限界集落 / 持続可能性 / 瀬戸内海 / 離島 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、本来研究実施計画においては最終年度であり、これまでの研究成果の取りまとめを行う予定であった。しかしながら現在までの進捗状況に示す理由により、研究調査活動に遅れが生じており、一部の調査対象地域についての調査が未実施となっている。今年度は、あらたな調査に関する研究報告を行うことはできなかったが、これまでに調査を実施してきた対象地域における調査結果について、国内外において報告を行った。 平成27年9月には、日本建築学会大会の農村計画部門のオーガナイズドセッション「空き家と地域」において、「都市近郊の離島における住まいと生活環境の維持管理主体の形成」と題して発表を行った。この発表については、査読付きの選抜梗概として公表されている。この論文では、本研究課題において明らかにしようとした、持続可能な集落の維持管理主体の実態について、特に空き家の維持管理主体について論じている。 平成28年2月には韓国大邱市での韓国農村建築学会韓日研究交流会「韓日農村まちづくり」における招待講演として、「Inherit the Islands(島を継ぐもの)」として研究成果の発表を行った。この発表では、離島集落を継ぐものとして、常時居住のみに依存しない、集落を受け継ぐ多様な主体の形成について、本研究課題の調査によって明らかになった事例をもとに論じている。 本研究課題で明らかにしようとした、集落を持続可能なものとするための多様なコミュニティの構成員の実態については、一部の研究調査が残されているものの、すでにこれまでに発表された学術論文によってその多くが示されている状況にある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
すでに昨年度までに報告してきた通り、初年度以来、鹿児島での桜島の噴火や九州地方における地震等自然災害の影響により、研究調査の実施に遅れが生じていた。 また、昨年度、研究代表者が研究機関を移籍したことにより、新たな授業への対応のためのエフォートを大幅に増加させざるを得ず、研究課題に向けるエフォートを例年通り確保することが不可能であった。 同時に、これまでの調査活動計画を、比較的予算の大きな研究期間の前半に遠方の中国地方での調査活動を想定し、予算規模の小さい研究期間の後半には近隣の九州圏の調査を計画していたところである。しかしながら、研究代表者の九州から中国地方への移籍により、この計画にも狂いが生じており、調査実施のための新たな予算確保の必要性も生じている。 こうした理由により研究活動の進捗状況は遅れていることから、一年間の研究期間の延長を申請し、承認されたところである。
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今後の研究の推進方策 |
すでに一年間の研究期間の延長を申請し、承認されたところである。 今年度は着任二年目であり、通常のエフォートを研究調査活動に向けることが可能である。昨年度の職務上の課題は解決しており、熊本での震災の影響があることは否めないが、今年度を最終年度として、予定されていた研究計画を遂行し、完了させることが十分に見込める状況にある。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究期間を延長したことによる。 昨年度、研究代表者が研究機関を移籍したことにより、新たな授業への対応のための教育にかかるエフォートを大幅に増加させざるを得ず、研究課題に向けるエフォートを計画通り確保することが不可能であった。これより研究活動の進捗状況に遅れが生じていることから、一年間の研究期間の延長を申請し、承認されたところであり、延長期間における研究遂行のために必要なものである。
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次年度使用額の使用計画 |
未実施の研究調査および研究発表のための旅費として使用する。
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