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2013 年度 実施状況報告書

「傷つき体験」からの回復・適応・自己成長を促す効果的な内省方略及び支援法の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25871004
研究種目

若手研究(B)

研究機関福岡工業大学

研究代表者

小田部 貴子  福岡工業大学, その他部局等, 特任教員 (80567389)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード日常型心の傷 / 傷つき体験 / 心理的距離 / マインドフルネス / 内省方略
研究概要

1.ネガティブな感情を伴う体験について内省するときの心理的距離の取り方がその後の心理的回復や自己成長に及ぼす影響を検討するために,大学生150名を対象とした実験的研究ならびに質問紙調査を実施した。視点を操作(「当事者視点」vs.「観察者視点」)した上で,記憶想起後に感情状態,体験に関する気づき,批判的コメントの受け入れ程度を測定した。1ヶ月程度経過した後に,追跡調査を実施した。その変化量も含め,現在,データ分析を進めている。
2.上記調査において,心理的距離に関する個人差と,それが心理的回復や自己成長のプロセスに与える影響について検討するために,失敗やネガティブイベントに対する対処のタイプ,マインドフルネス傾向,ADOG,対人敏感性,認知・行動の回避傾向を測定した。現在,データ整理及び分析を進めている。
3.心理的距離及び心理的回復を客観的に測定できる道具の開発のため,心電図計,脳波計を用い,心理的イメージや回想的記憶の意識的内容を敏感に捉えることができる指標を調整してきた。今後更に,皮膚インピーダンス等,別の指標についても検討し,心理的な状態を把握するうえでの確度を高めると共に,心理的に想起している内容を現象学的に測定するための質問紙を開発する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

心理的距離や傷つき体験からの回復の状態を客観的に測定するためのツールづくりにおいて用いる予定の「生理学的指標」の探索に時間を要している。人が心の中で想起する記憶を敏感かつ正確に測定できる指標の開発は難しいが,当初は想定していなかった指標も含めて探索し,丁寧に道具作りを行いたいと考えている。

今後の研究の推進方策

H25年度に実施した分析結果をまとめて報告を行うとともに,次の3点に重点を置いて研究を進める。
(1)心理的イメージや回想的記憶の意識的内容を敏感に捉えることができる「生理学的指標」と「心理的指標」を開発する。
(2)(1)を用いて,研究対象者を縦断的に追跡し,「傷つき体験」からの心理的回復・適応・自己成長のプロセスを記述する。
(3)(2)のプロセスにおいて,個人特性がどのように影響しているかを明らかにする。

次年度の研究費の使用計画

(1)脳波計等,生理学的指標として用いる機器と処理のためのパソコンを購入する予定であったが,指標として確度の高いものになるか,またどのような指標がより良いかを検討・試用しながら研究を進めており,購入に至っていない。
(2)全体的に研究がやや遅れている状況であり,報告(学会発表等)に至らなかったため,旅費の未使用額が発生した。
(1)H26年度の早期に生理学的指標を測定できる機器の購入(場合によってはレンタル)を行い,前年度の研究費も含めて研究を進めていく。
(2)前年度発表できなかった研究報告を夏季に行い,当初予定していた研究発表を遂行する。また,機器の取り扱い等に関して,専門的知識の提供を依頼するなど情報収集を効果的に行ううえで研究費を活用する。

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公開日: 2015-05-28  

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