本研究では,ネガティブな感情を伴う体験からの心理的回復や自己成長を促すうえで効果的な内省の仕方や個人差要因について検討した。その結果,①自己の視点よりも他者の視点を採るほうが,自己の振る舞いについて,感情的に落ち着いた状態で振り返ることができることが示された,②「心理的距離を置く力」や「内省志向」といった個人差要因は①の効果を左右しうることが分かった。本研究ではまた,ネガティブな感情を伴う体験を想起した後の思考の切り替えの早さをレジリエンスの指標として定義し,脳波計測を用いてそれを客観的に評価する方法を開発した。
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