癌幹細胞仮説は癌の治療抵抗性の本質と考えられるが、癌幹細胞の出自は未だ明らかでない。本研究では、癌幹細胞療法への応用を念頭に、化学療法や免疫反応といった癌細胞へのストレスに応答して通常のGBMから癌幹細胞への転換が生じるかを検証した。 ヒトGBM検体において、リン酸化型STAT3(p-STAT3)が過剰発現しており、幹細胞マーカーと相関する事が確認された。幹細胞マーカーは癌細胞に対する各種細胞ストレスによって誘導され、内在性のmicro RNA-302/367 clusterによるSTAT3リン酸化抑制を介して制御されていた。今後、GBM幹細胞標的療法開発への応用が期待される。
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