本研究では、因果的説明と知識の発達的関係を明らかにするという最終目的のための予備的研究として、幼児期から児童期における空気概念の発達と学習の関係について、先行研究などを概観することを通して明らかにすることを試みた。その結果、小学校低学年までの子どもは空気の存在に関しては、大人と異なる概念を有していることが明らかになった。つづいて、この独自の概念の原因を探るため、理科・生活科に関する小学校学習指導要領や教科書・読み物、学校教育での実践研究を概観した結果、これらの要因では子どもの空気概念の独自性が説明できず、アニミズムや論理的思考といった認知発達的特徴に、その原因の一端がある可能性を指摘した。
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