研究課題/領域番号 |
25871020
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
研究機関 | 聖徳大学短期大学部 |
研究代表者 |
中村 裕 聖徳大学短期大学部, 保育科, 講師 (90572165)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 教育制度学 / ネパール / 国民統合 / 教育学 |
研究概要 |
本研究の目的は、1970年代初期のネパール王国(Kingdom of Nepal. ネパール)における国民教育制度変革の背景と過程を明らかにすることである。 この目的を達成するために、平成25年度においては、トリブヴァン大学(Tribhuvan University) 附属図書館および同大学附属の教育改革・開発研究センター(CERID)、アメリカの国際開発庁(USAID)などを通じて、本研究の基盤資料(教育計画および政策文書、対ネパール教育援助に関する文書など)を入手した。 上記の資料収集と並行して、本研究を遂行する上での主要作業として、1960年代のネパールにおける中等教育計画の特徴と展開を、NNEPC(ネパール国家教育計画委員会)およびARNEC(国家教育審議会)の中等教育制度構想と、そのカリキュラム案を比較して追究した。その成果は、『聖徳大学研究紀要 短期大学部』46号に研究論文として掲載されている。 さらに、当該年度後半においては、1960年代の教育計画文書を精読し、同計画の全体像の把握に努めるとともに、これらが設定する「ネパール国民」像について追究した。しかし、こうした知見について整理し、1970年代のネパールにおける教育開発を、国民教育制度の変革過程と捉えて解明するための視点を確立するには至っていない。これは、平成26年度以後の課題とする。具体的には、1960年代における教育計画・法規の全体像を確実に把握し、また、重要計画段階および領域の追究を通じて、まず、1970年代の国民教育制度変革の背景解明を試みる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
関連資料の収集は順調に進捗し、その講読作業に移行している。また、1970年代におけるネパールの国民教育制度変革過程追究の前提となる、1950~1960年代のそれについては、これまでの成果を学術論文として一件発表している。
|
今後の研究の推進方策 |
これまで、1950~1960年代におけるネパールの国民教育制度整備過程の解明を通じて、1970年代の当該制度変革過程についても、制度整備の前提や一定の成果について、少なからず明らかにしている。 今後は、①1970年代の総合的な教育計画の特徴解明、②1970年代における主要教育段階・領域の開発成果の追究、③以上を踏まえた、1970年代におけるネパールの国民教育制度変革過程の全体的理解という方策で研究を進めていく。
|
次年度の研究費の使用計画 |
校務および私事等により、国内・海外調査を実施できず、また、既収集資料の整理も充分に行えなかった。そのため、事前に計上していた、調査費および資料整理用物品費・人件費を、平成25年度においては使用しなかった。 平成26年度においては、事前の計画通り、国内調査を行う。また、これまで収集した資料の整理を目的として、物品費と人件費を使用する。
|