| 研究課題/領域番号 |
25871031
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| 研究機関 | 長岡工業高等専門学校 |
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研究代表者 |
村上 祐貴 長岡工業高等専門学校, 環境都市工学科, 准教授 (70509166)
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| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| キーワード | 鉄筋腐食 / 腐食ひび割れ幅 / 腐食量 / 腐食膨張挙動 / コンクリートの拘束圧 |
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| 研究実績の概要 |
本研究では，塩害により鉄筋腐食を生じたRC構造物の維持管理優先度の意思決定に，極めて重要な指標となる鋼材腐食プロファイル（腐食量・腐食領域）を，腐食膨張挙動に対するコンクリートの抵抗度（拘束圧）を定量化することで，定期点検業務の中で比較的容易に取得可能である，かぶりコンクリートの腐食ひび割れプロファイル（幅・発生領域）から推定する手法の構築を行う。
平成26年度では，腐食膨張挙動に対する横補強筋の拘束効果の影響の定量的評価を目的とし，静的破砕剤を用いた腐食膨張模擬実験を行った。具体的には，かぶり，圧縮強度の異なる横補強筋を有するコンクリートの腐食膨張挙動に対する拘束圧を軸方向に複数点測定し，主鉄筋軸方向の腐食膨張挙動に対するコンクリートの拘束圧に及ぼす横補強筋の影響領域やその相互の影響について検討し，以下の結論を得られた。(1)横補強筋を有するRC部材の最大拘束圧はかぶり厚，圧縮強度の影響を受ける。(2)横補強筋を有するRC部材の最小かぶり面のひび割れ幅の拡大に伴う拘束圧の低下割合は圧縮強度の影響を受ける。(3)横補強筋の拘束効果の影響範囲の面積は，かぶり厚，圧縮強度の影響を受ける。(4)(1)～(3)の結果に基づいて提案した横補強筋の拘束圧算定式は実験結果と比較的良好な一致を示した。(5)横補強筋を有する試験体の拘束圧は，コンクリート単体の拘束圧に横補強筋の拘束圧を重ね合わせることで評価可能であった。(6) 横補強筋の拘束効果の相互の影響は，横補強筋1本あたりの拘束効果の影響範囲を重ね合わせることで評価可能であった。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度では，横補強筋が腐食膨張挙動に対するコンクリートの拘束効果に及ぼす影響について検討した。横補強筋を有する試験体の拘束圧は，コンクリート単体の拘束圧に横補強筋の拘束圧を重ね合わせることで表現できることを明らかにするととともに，補強筋の拘束効果は各補強筋の拘束効果の分布を重ね合わせることで評価可能であることを実験的アプローチにより明らかにした。
すなわち，補強筋がかぶり面の腐食ひび割れ幅に及ぼす影響については1本の補強筋の拘束効果を定量的に評価可能としたことで，複数本横補強筋が配筋された場合においても評価可能であると考えている。
また，上記知見をまとめ，3編の学会発表を行うとともに，1編の査読付き学術論文を投稿しており，採択されたことから，研究の達成度をおおむね順調に進展しているとした。
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| 今後の研究の推進方策 |
平成27年度は以下の2項目について検討を行う。
■軸方向の腐食の不均一性評価
実構造物において，鉄筋腐食は部材の一部に生じるとともに，腐食領域内の腐食程度は非一様である場合が多い。また，局部腐食の場合，腐食ひび割れ発生領域はひび割れが軸方向に伝播するため，軸方向における腐食量のバラツキと，腐食ひび割れ幅のバラツキは異なる。そこで，平成27年度では，コンクリートの拘束圧，腐食ひび割れ幅と腐食量のバラツキの相違に着目して，腐食ひび割れ領域から腐食領域の特定を試みるとともに，腐食膨張と腐食ひび割れのエネルギー収支に基づき，局所的な腐食性状の推定を試みる。
■鋼材腐食プロファイル推定手法の構築
平成26年度までの検討に加え，腐食の不均一性が腐食ひび割れ性状に及ぼす影響を明らかにすることより，コンクリートの拘束圧，各種補強筋の拘束効果の相互影響および腐食の不均一性を考慮した腐食ひび割れプロファイルから鋼材腐食プロファイル（腐食量・発生領域）の推定手法を構築する。
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