研究課題/領域番号 |
25871045
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 奈良工業高等専門学校 |
研究代表者 |
竹原 信也 奈良工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (10511545)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 社宅研究 / 労働史 / 生活史 / 地域社会 / 鉱山集落 |
研究概要 |
別子銅山の山間部社宅街の生活経験者にインタビュー調査を実施した。具体的には、平成25年8月に東平地域の社宅で生活していた5名にインタビューを行った。併せて東平での現地調査も行った。これにより、女性の生活史、地質課職員の坑内での実際の仕事の様子、学校職員から見た東平の生活史を調べることができた。また平成26年1月に、鹿森社宅で生活をしていた6名にインタビューを行った。これにより、鹿森社宅で設立された生活協同組合の運営の様相、自治会長から見た鹿森社宅の様子、地質課職員の坑内外での仕事の実際、子ども会の運営の実態などを調べることができた。なお調査の際、ICレコーダーとデジタルビデカメラを購入し、録音と録画を行っている。録音データから逐語記録を作成し、その内容を分析した。インタビュー調査と並行して鉱山集落に関する歴史学、地理学、社会学、法社会学の諸研究の文献資料も閲覧・調査した。一連の調査・文献収集の成果を活用して、論文にまとめた(竹原信也『山間部社宅街のオーラル・ヒストリー-鹿森社宅の生活の記憶-』奈良工業高等専門学校研究紀要49巻、pp.40-48、2014年3月)。また平成26年9月に所属する日本オーラル・ヒストリー学会にて学会発表を予定している。 続いて、各大学機関が保有する、戦前の鉱山実習報文を閲覧・複写した。具体的には、平成25年8~9月にかけて京都大学工学部図書館にて、平成26年9月に九州大学文書館にて各大学が保有する別子銅山に関する実習報文を調査した。調査・分析をまとめ平成26年5月に所属する法社会学会にて学会発表を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り、社宅の在住経験者を中心に10~15名にインタビューを行うことができた。また、各大学機関が保有する鉱山実習報文も本年度は九州大学と京都大学の実習報文を閲覧・複写することができた。また大学図書館等で鉱山集落に関する歴史学、地理学、社会学、法社会学の諸研究の文献資料も調査することができた。戦前の生活改善運動に関する文献資料や、生活経験者個人で保有する資料収集については課題が残ったが、しかし調査そのものは概ね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、予定通り社宅の在住経験者を中心に10~15名にインタビューを行い、データ作成に努める。その際には課題となった生活経験者個人で保有する資料についても収集に努めたい。また、各大学機関が保有する鉱山実習報文についても、今年度は北海道大学と東京大学にて閲覧収集を行っていく予定である。戦前の生活改善運動に関する文献資料、特に企業側が実質的に主導していた改善会の文献調査については、量が膨大であること、研究者自身の所属が奈良高専に変更したことから新居浜での現地調査の実施に影響が出ているといった書理由により、研究機関の延長あるいは継続を検討している。
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次年度の研究費の使用計画 |
インタビュー調査の2回目の実施が平成26年1月と遅くなった為、逐語記録の作成や写真データの整理といった作業の協力依頼を3月末までに全て行うことができなかった。 上記に述べた2回目に実施したインタビュー記録の逐語記録の作成や写真データの整理といった作業の協力依頼を行う予定である。
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