研究課題/領域番号 |
25871045
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研究機関 | 奈良工業高等専門学校 |
研究代表者 |
竹原 信也 奈良工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (10511545)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 社宅 / オーラル・ヒストリー / 企業 / 自治 / 労働史 / 改善運動 / 労使関係史 |
研究実績の概要 |
平成26年10月に東京大学、平成27年3月に北海道大学へと各大学が保有する鉱山実習報文を閲覧・複写した。当該文献調査により前年度と合せて九州・京都・東京・北海道の旧帝国大学が保有する別子銅山に関する実習報文を閲覧・複写することができた。これにより、明治・大正・昭和期における鉱山労働の実態と社宅での生活に関する貴重な資料を収集することが出来た。文献調査として平成26年11月に、別子銅山・鷲尾勘解治の影響のもとでつくられた改善会が1927~1939年まで発行した雑誌「改善」の1~14巻(別子銅山記念図書館所蔵)の閲覧と複写を行った。これにより、大正末期から昭和初期にかけての山間の社宅街での人々の生活の様子についてオーラル・ヒストリーでは収集困難な情報を入手することができた。そして、別子銅山山間部社宅街の生活経験者にインタビューを実施した。まず11月に鹿森社宅の生活経験者にインタビューを行った。1名は自治会長・生協の理事長として鹿森社宅に長く生活した方、もう1名は鹿森社宅の倶楽部・浴場の管理をしている中で育った方のインタビューを行った。続いて平成26年12月に、鹿森社宅で保育所の保母をされていた方とその妹にインタビューを行った。並行して平成25年度に行ったインタビューのスクリプトを作成しデータ整理を行った。また個人保有のアルバム・写真資料を閲覧させていただき、複写作業を行った。これらにより、社宅生活における公共的な機能を果たしていた生協や浴場、保育所などの活動の実態や様子についてのインタビュー記録や写真資料を収拾することができた。研究成果の発表としては、平成26年5月に法社会学会にて、9月にオーラル・ヒストリー学会にて口頭報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成25,26年の調査により社宅の在住経験者15名にインタビューを行うことができた。さらに個人保有の写真資料を閲覧・複写することもでき、昭和時代の社宅に関する写真データを入手することが出来た。また改善会発行の雑誌「改善」の閲覧複写を行うことが出来、戦前の生活改善運動と労資の関係性を紐解く上で貴重なデータを入手することが出来た。そして鉱山実習報文についても予定通り九州・京都・東京・北海道大学が保有する別子銅山に関する実習報文を閲覧複写することが出来た。しかし調査は行ったものの、文献資料やインタビュー記録のデータ整理が進んでおらず、課題が残った。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、文献資料のデータの整理(目録作成等)とインタビュー記録のデータ作成(スクリプト作成)を行い、論文を執筆する。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ整理作業が終わらなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
データ整理作業代として支出する。
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