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2013 年度 実施状況報告書

南極雪氷試料に含まれる粒子状物質の微量無機成分を指標とした発生源推定に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 25871050
研究種目

若手研究(B)

研究機関国立極地研究所

研究代表者

平林 幹啓  国立極地研究所, 研究教育系, 特任研究員 (20399356)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード南極雪氷 / 微量元素分析 / 同位体分析
研究概要

南極雪氷(表面積雪および氷床コア)に含まれる粒子状物質の発生源には、大陸、火山、海洋、生物、宇宙などがある。無機元素あるいは化合物の濃度や同位体の分析を行うことで、粒子状物質の発生源やその寄与の大きさに関する情報が得られる。そこで、高緯度地域の物質循環の理解を深めるために、南極雪氷試料中に含まれる無機元素および化合物の濃度および同位体比の分析を行った。
南極雪氷試料に含まれるストロンチウム、ネオジムの同位体分析法の確立を行った。元素の同位体分析を行う場合は、質量数が等しく原子番号の異なる原子種(同重体)の分光学的干渉を避けるために、目的元素の単離が必要となる。南極雪氷試料は汚染無く試料確保することが難しく、試料に含まれる元素濃度は非常に低い。そこで、目的元素だけを抽出できる樹脂を用いたカラムを準備し、微量なストロンチウム、ネオジムの同位体分析に特化した試料前処理法を開発した。
南極雪氷試料に含まれる硫黄化合物(メタンスルホン酸等)の化学種別の同位体分析法の確立を行った。南極雪氷試料に含まれる大部分の元素および化合物濃度は低濃度である。また、分析に使用できる南極雪氷試料の量は限られている。そのため硫黄化合物については、イオンクロマトグラフを改造して分取装置を作成し、微量な硫黄化合物の単離、濃縮を可能にした。さらに既存の質量分析計に元素分析計を接続し、微量な固体の硫黄化合物の同位体分析を可能にした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画に加えて、他の化学種に関する分析法の開発も行い、計画以上の項目について進めている。

今後の研究の推進方策

南極雪氷試料の微量元素、化合物の濃度分析および同位体分析を継続する。水安定同位体比、陽・陰イオン濃度、固体微粒子濃度の分析項目について、分析未実施の場合はすみやかに行う。また取得したデータを検証し、環境中濃度の解析から発生源を推定するレセプターモデルによる解析が可能になるよう、必要なデータを効率よく取得する。

次年度の研究費の使用計画

業者の在庫不足により納期が間に合わなくなった物品があったため。
関係する分析は次年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てることとする。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 南極表面積雪試料中の微量イオン種濃度

    • 著者名/発表者名
      平林幹啓, 本山秀明
    • 学会等名
      雪氷研究大会2013
    • 発表場所
      北見工業大学(北海道)
  • [学会発表] 南極雪氷中の微量イオン種濃度

    • 著者名/発表者名
      平林幹啓, 本山秀明
    • 学会等名
      第4回極域科学シンポジウム
    • 発表場所
      国立極地研究所(東京都)
  • [学会発表] Concentration of trace inorganic species in surface snow along the route to Dome Fuji, Antarctica

    • 著者名/発表者名
      M. Hirabayashi, H. Motoyama
    • 学会等名
      AGU Fall Meeting
    • 発表場所
      Moscone Center(サンフランシスコ)

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公開日: 2015-05-28  

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