研究課題/領域番号 |
25871066
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
太田 心平 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 准教授 (40469622)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 社会文化人類学 / 韓国・朝鮮研究 / 博物館展示学 |
研究実績の概要 |
今年度は、アメリカ合衆国でこれまでの成果公刊の準備をおこなった。 本研究は、博物館展示の構築過程を明らかにするという目的のため、特定の博物館の内情、特に人間関係や人事規約といった事項を扱わざるをえない。そうした事項を含む研究成果を公開するためには、関係する個人を匿名にするという社会文化人類学の古典的な手法による人権擁護法に加え、博物館という組織体の機密を保持し、経営に不利益を与えない努力も必要となる。このため、本研究では研究成果を研究対象に事前に開示し、公開しようとしている内容に誤記載や不都合がないかを確認することを、重要な過程と位置づけてきた。本年度はこの点をもっとも重要な達成目標とし、十分な結果をえた。 また、韓国・朝鮮文化をいかに表象すべきかという問題につき、これまで博物館という表象装置の調査研究によって培ってきた知見を活かして、文化人類学および東アジア文化論の学部生向けの教科書を共同執筆し、共同編集にもあたった。現在、刊行準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、これまでに進めた日本、韓国、米国の博物館での調査研究を補足するため、欧州の博物館でも補足的な調査研究をおこなう予定であった。しかし、その博物館に所属する海外研究協力者の事情により、本年度に調査研究のため欧州へ渡航することが出来なかった。 このため、本助成金に残額が生じ、次年度に欧州での調査で使用することとした。
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今後の研究の推進方策 |
公刊予定の英文論文が2編ある。ピアレビューを介してそれぞれの質を高め、成果公刊としたい。 また、本年度におこなえなかった欧州での補足的な調査研究を、次年度におこなう。これにより、上記の2編では公刊するだけの質に達していなかった論点も補足的に把握でき、今後の研究と成果公刊につながるものと期待できる。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画書では本年度に欧州での調査研究を予定していたが、欧州の海外研究協力者の事情(産休)により、この調査研究が延期になった。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度に予定していた欧州での調査研究を次年度に行う計画である。
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