博物館の展示は、基盤となる学問領域の研究成果をもとに構築されるが、その他にも展示する標本資料の収集や選定、解説の作成と配置、演示やサービスなどの付加要素によっても、違った質や性格や印象をもつ。 この研究は、日本、韓国、米国で韓国・朝鮮文化に関する常設展示をもつ博物館を主な事例とし、それらの付加要素が、一般に想定されてきたように、研究者やソースコミュニティ(この場合は韓国社会)の意図のみによって構築されるのではないことを明らかにした。展示の内容は、研究者以外の様々な関係者たち(博物館の正規/非正規事務職員、外部委託従事者など)の裁量的なはたらきかけにも、無視できないほど左右されることがわかった。
|