研究成果の概要 |
本研究の目的は、唾液腺腫瘍(SGT)において細胞診で組織型を確定することで治療選択、予後を改善することにある。近年、SGTは組織亜型により治療戦略を変更している。SGTは耳下腺発生が多く、一般的に術前診断には細胞診が用いられるが、組織型確定は困難である。形態的に核異型が弱く、類似する組織型の多い腺様嚢胞癌(ACC)ではMYB, MYBL1, NFIBの検討が有用であった。FISH法は一般的にパラフィン切片で実施するが、組織型に特異的な融合遺伝子の検出が細胞診で可能か検討し発表した。我々は、ACCの細胞診において生検の負担の軽減、治療戦略の点から、FISH法が極めて有用であることを見出した。
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