本研究の目的は,大腸癌において新しいチロシンキナーゼ融合遺伝子を同定する,ことである.近年,anaplastic lymphoma kinase(ALK)融合遺伝子を有する肺癌が発見され,その融合遺伝子を有する肺癌に対しALK阻害剤が臨床応用されるまでに至っている.大腸癌を含む肺癌以外の固形癌においても,チロシンキナーゼ融合遺伝子が報告されており,本研究で大腸癌の新しい分子標的薬の導入に向けて,治療ターゲットとなる融合遺伝子を探索する. 大腸癌の組織アレイを使用し,自作したFISHプローブを用いてチロシンキナーゼ遺伝子(数十種)を網羅的に検索する. 本年度はスクリーニングがほぼ終了し,候補症例数例から新規融合遺伝子を同定した.
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