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2014 年度 実績報告書

「植物プランクトンの枯死に伴うリン化合物溶出モデル」の構築とインパクト予測

研究課題

研究課題/領域番号 25871086
研究機関独立行政法人国立環境研究所

研究代表者

篠原 隆一郎  独立行政法人国立環境研究所, 地域環境研究センター, 研究員 (00610817)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードリン化合物 / 核磁気共鳴装置(31P NMR) / 植物プランクトン
研究実績の概要

本研究は、霞ヶ浦の懸濁粒子・植物プランクトンに含まれるリンの化合物形態について、核磁気共鳴装置(31P NMR)を用いて分析を行ったものである。31P NMRは、分析の際に、リンを含む有機態の化合物を、定性的・定量的に把握することができる。また、懸濁物中に含まれるリン化合物を把握し、植物プランクトンのバイオマスと比較を行うことで、植物プランクトンの枯死・成長に伴うリンの形態変化を解析することができる。
31P NMRを用いた分析方法としては、固体、溶液の2種類があるが、固体NMRは大まかな化合物の結合形態を分析するために用いられる一方で、溶液NMRは、具体的な化合物を把握するために用いられる。近年、リンを核種(31P)とするNMRでは、化合物を抽出した後、それを分析する溶液NMRが使用されている。本研究も、過去の研究に従い、水酸化ナトリウム―EDTA法を用いて分析を行った。本方法は、リンの抽出を行う際に、抽出率等が問題になることもあるが、具体的な化合物を把握するためには近年頻繁に使用されるものであり、霞ヶ浦においても使用実績があるものである。
分析を行った結果、リン化合物の抽出率は、約50%程度であった。懸濁物中に含まれるリン化合物としては主に、オルトリン酸(PO4)、核酸態リン(DNA-P、RNA-P)、リン脂質、ピロリン酸などが含まれていた。そのうち有機態リンとしては、DNA-P、RNA-P、リン脂質であったが、その中でもとりわけRNA-Pが有機態リンの約60%と最も多い結果であった。また、RNA-Pは、植物プランクトンのバイオマスとも変動が一致しており、植物プランクトン等の微生物が増加に伴って形成され、逆に枯死すると流出する成分であることが推察された。
また、以上の知見をもとに、霞ヶ浦における有機態リンの動態モデルを構築した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015 2014 その他

すべて 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 霞ヶ浦流域圏における懸濁物・プランクトン・水生植物中に含まれるリン化合物の違いについて2015

    • 著者名/発表者名
      篠原隆一郎, 今井章雄, 冨岡典子, 高津文人, 小松一弘, 佐藤貴之, 佐野友春, 三浦真吾, 霜鳥孝一
    • 学会等名
      第49回日本水環境学会年会
    • 発表場所
      金沢大学(石川県金沢市)
    • 年月日
      2015-03-15 – 2015-03-18
  • [学会発表] 霞ヶ浦の懸濁物に含まれるリン化合物の動態について2014

    • 著者名/発表者名
      篠原隆一郎, 今井章雄, 冨岡典子, 高津文人, 小松一弘, 佐藤貴之, 佐野友春, 三浦真吾, 霜鳥孝一
    • 学会等名
      応用生態工学会第18回大会
    • 発表場所
      首都大学東京(東京都八王子市)
    • 年月日
      2014-09-18 – 2014-09-21
  • [学会発表] 霞ヶ浦懸濁物中に含まれる核酸に含まれるリンの動態について2014

    • 著者名/発表者名
      篠原隆一郎, 今井章雄, 冨岡典子, 高津文人, 小松一弘, 佐藤貴之, 佐野友春, 三浦真吾, 霜鳥孝一
    • 学会等名
      日本陸水学会第79回大会
    • 発表場所
      つくば国際会議場(茨城県つくば市)
    • 年月日
      2014-09-10 – 2014-09-13
  • [学会発表] Temporal and Vertical Changes in Sediment P Compounds in Lake Kasumigaura, Japan2014

    • 著者名/発表者名
      Shinohara R., Imai A., Kawasaki N., Komatsu K., Kohzu A., Miura S., Sano T., Satou T., Tomioka N., Shimotori K.
    • 学会等名
      Joint Aquatic Sciences Meeting
    • 発表場所
      Oregon Convention Center, Portland, Oregon, USA.
    • 年月日
      2014-05-18 – 2014-05-23
  • [備考] 篠原隆一郎のホームページ

    • URL

      http://crispus.web.fc2.com/index_j.html

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公開日: 2016-06-01  

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