放射性核種(134Csや90Sr等)を含む汚染水を高アルカリ環境で効率的に浄化し、それらの核種を長期間安定に保持する技術・材料の開発を目的として、天然の高アルカリ環境に産出するカンクリナイトに着目し、その環境再生材料としてのポテンシャルを評価した。その結果、カンクリナイトはpH=12以上の高アルカリ環境でも安定に存在し、高濃度のCs+やSr2+をエキストラフレームワークサイトに吸蔵する機能を有することを発見した。また、本研究で初めて合成されたカンクリナイト巨大単結晶試料を用いて、イオン交換反応におけるCs+/Sr2+イオンの席選択性を精密に決定することが出来たのは特筆すべき成果である。
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