研究課題/領域番号 |
25871105
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
柿崎 智博 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 野菜茶業研究所 野菜育種・ゲノム研究領域, 主任研究員 (30547229)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 相転換 / キャベツ / 花成 |
研究概要 |
キャベツ(Brassica oleracea)の生育相は、外部環境に影響されずに栄養生長を行う基本栄養生長相、長期の低温に感応して花芽分化が開始される低温感応相、さらに長日・高温に感応し抽だいと開花が促進される高温長日感応相から構成される。低温感応相にある植物体が、長期間の低温に暴露されると花芽が分化し、抽だい・開花に至る。そのため晩春に収穫期を迎える作型では難抽だい性品種の育成が求められている。本年度は、生物資源研・ジーンバンクに登録されているキャベツ遺伝資源系統・81点について、圃場環境下における基本栄養生長相期間を評価した。評価方法は、キャベツ遺伝資源81点および市販F1品種4点の苗(本葉数2~3枚展開期)を約10日間隔で6回に分けて定植し、各個体における低温遭遇時の本葉数と翌春の花芽分化について調査を行った。その結果、長い基本栄養生長相が必要とされる春どりの作型に適する中野早生群(‘早生豊玉’、‘中野極早生丸’、‘富士早生’など)に属する品種は、いずれも花芽分化した個体の最小葉数が13枚以上であった。これに対し丸球の早生種である‘大型コペンハーゲンマーケット’や‘アラスカ’では、低温遭遇時に本葉数が2枚であった個体においても花芽形成が確認された。これらの品種は生育期に低温に遭遇しない春まき初夏どりの作型で利用されており、長い基本栄養生長相が必要とされない事が再確認された。 標準系統として用いている‘MP-22’について相転換前後の本葉よりRNAを精製し、Hiseq2000を用いたトランスクリプトの配列取得を行った。de novoアセンブルを行い、29,437contigsで構成される発現遺伝子の配列を取得するとともに、そのうち1,536contigs内にSSR領域を見いだし、多型識別用のプライマーセットを構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、当初の予定どおり圃場環境下における基本栄養生長相の期間を評価した。当初予定していたGoldenGateによる多型取得が困難であったため、de novoアセンブルで得られたcontig上にSSRマーカーを設計した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の形質評価結果を確認するため、次年度も同一作型、同一系統を用いた形質評価を行う。 加えてGWASに必要なマーカー数を算出するため、今年度整備したSSRマーカーを用いて連鎖不平衡の崩壊距離を算出する。しかしキャベツと近縁であるセイヨウナタネの連鎖不平衡の崩壊距離は1~2cMと推定されており、1,536ヵ所のマーカーでは不十分である可能性が考えられる。そこで、ゲノムワイドなSNP多型を取得可能なRAD-Seq法を行う。RAD-Seqには6塩基認識酵素であるEcoRIを用いる。EcoRIを使用した場合、キャベツの推定ゲノムサイズから予測される取得リード数は6,000ヵ所である(冗長度10以上)。取得されたSNP情報を元に集団構造解析、連鎖不平衡距離を算出する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額が生じた理由は、効率的に研究費を使用するため、申請時に購入を予定していた消耗品をより廉価な物に変更したためである。また、研究を進めるため予定していた学会発表を次年度に繰り越したことが原因である。 本年度はRAD-Seq法を用いてSNP情報を取得するとともに、得られた研究成果を積極的に学会発表し、論文投稿を行う。今年度生じた次年度使用額についてはRAD-seqに必要な消耗品購入費に充当する。
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