研究実績の概要 |
圃場環境下におけるキャベツ遺伝資源系統の基本栄養生長相の長短を評価するため、キャベツ遺伝資源81点および市販F1品種9点の苗(本葉数2~3枚)を平成25年10月15日より約7日間隔で5回に分けて定植した(6個体を5回定植)。生育時の葉数は11月22日から約1ヶ月ごとに調査した。各個体の花芽分化は翌年3月中旬から目視による調査を行った。調査は1週ごとに行い、最終調査日である5月28日時点で花芽が確認されない個体については結球部を縦切りし、花芽の有無を目視にて調査した。 各系統における各試験区の花芽分化割合にはばらつきがみられたため、複数個体で花芽が確認された区における平均葉齢を相転換葉齢とした。各系統の相転換葉齢は概ね昨年度の結果と同様の傾向であったが、今年度は昨年度に比べて1区の定植日が1週間遅れ、花芽分化に至らなかった系統が散見された。遺伝資源系統とF1品種群を比較した場合、F1品種群の方が各試験区においてごく少数の個体のみが抽だいする傾向が少なかった。これはF1品種の方が生育の揃いが良いことに起因すると考えられる。 GWAS解析に供する多型データの取得はRad-seq法を用いた。制限酵素EcoRIおよびBglIIを用いたRad-Seq法により遺伝資源系統内のSNP情報を取得した。EcoRI/BglIIを使用した場合、キャベツの推定ゲノムサイズから予測される取得サイト数は6,000ヵ所である(冗長度10以上)。得られたリード配列を公開されているキャベツのドラフトゲノム配列へマッピングし、StacksによるSNPのコールを行ったが、欠測値が多くGWASを行うに充分な多型を取得することができなかった。今後はSNP以外の多型情報を加え、Rad-Seqの欠測データを補完する計画である。
|