Gタンパク共役型受容体(GPCR)は細胞外の刺激を細胞内に伝えることで様々な生理機能に関わる。本研究はブタ脂肪細胞分化(未成熟から成熟脂肪細胞への変化)に関わるGPCRの機能を検討した。 ブタ脂肪前駆細胞で10種類のGPCR遺伝子を同定した。そのうち3種類のGPCR遺伝子ノックダウン(遺伝子機能の不全)は、脂質合成のカギを握るPPAR(ペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体)経路の働きを弱める一方で、細胞増殖を上昇させることを明らかにした。本研究で同定したブタGPCR遺伝子は、脂質合成および細胞の増殖性に関わる分子経路を制御することで、脂質合成量の調節に寄与することが示唆された。
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